旅にまつわる トラブル Short stories about Trabel Accident
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当お客様は・・・、お忘れになり・・・ カードロックなんて、簡単だよ
ふっかけられちゃいました  


当お客様は・・・、お忘れになり・・・

 初めて、関空を使って海外に出たとき(ちなみに、関西在住ではありません)、自宅から新幹線を使って新大阪駅まで出て、そこから関空特急「はるか」に乗り換えて、関空へと向かった。新幹線を降りて、在来線への自動改札を通り抜け、わずか数分の乗り換え時間で、特急に乗り換えることができた。自由席なので、ずっとデッキに立ちっぱなしだったものの、環状線も、その先も、頻繁に停車することもなく、大阪のビルの谷間を通り過ぎていた・・・。
 天王寺を過ぎるころ、車内検札のときに、あることに気が付いた。「ん?特急券は持っているけど、乗車券(自宅の最寄駅から、関空までの片道券)がない!」
 それもそのはず。新大阪駅で乗り換えるとき、自動改札で「(新幹線の)特急券と、乗車券をまとめて入れてください」というアナウンスに注意を払っていて、そのまま出てくるはずの乗車券を取り忘れてきていたみたいだった。言い訳を考えるひますらもなかったので(する必要もないのだが)、そのまま事情を話すと「新大阪駅に問い合わせてみます」と言われ、検札は終わった。
 その後、関空に着く手前ごろ、先ほどの車掌さんが、手書きのメモ用紙を持ってこられた。「キップは、駅で確認しましたので、このメモを関空で改札から出るときに、手渡してください」と。この紙には、「当お客様は、新大阪駅において、乗車券をお取り忘れになり・・・。」と、若い女性らしい、丸みがかった文字でびっしりと「言い訳」が書かれていた。忘れた自分も悪いのだが、ここまで丁寧に対応してもらって非常に申し訳なかった。

 ただ、「新幹線−はるか」ルートのトラブルは、これで終わったわけではない・・・

 つづく

カードロックなんて、簡単だよ

 卒業旅行で香港に行ったときのこと。友人と日本からネットで予約した(高層、しかも、改装したての)ホテルにチェックインすると、手渡されたのは、ルームキーではなく、裏面に磁気ストライプの入ったカード型のカギだった。以前ワタシがマレーシアのホテルに泊まったとき、この使い方が分からずフロントまで行って係員を呼んできたことがあったので、このときの失敗談を話しながら、友人に向かって先輩風を吹かせていた。「いいか?カードを、差し込むだけじゃ、ドアは開かないんだぞ!」とか、「カードを突っ込んで、抜き出した後に、OKだったら緑色のランプが灯いたら、ドアが開くんだ」とか言っていた。とりあえず、カギを持っていた友人のほうからチャレンジしてみたが、いつまでたっても「失敗」の赤ランプしか点灯しない。ワタシに変わってみても、何度繰り返しても、結果は同じである。もしかして、既に開いているのかもしれないと思い、ノブを回してもドアは開かない。あきらめて、係員を呼んで来ようかと思ったとき、あることに気がついた。
「あっ、部屋番号が違う・・・」
 どうも、となりの部屋に入ろうとしていたらしい。もちろん、すんなりドアが開いたことは、書くまでもない。

 つづく

ふっかけられちゃいました

 「当機は、ただいま、気流の悪いところを飛んでおります。シートベルトをお締めになって・・・」という感じで、長距離フライトの途中には何度か「おい、このまま墜落しちゃうんじゃないのか?」と思うほどの揺れを感じたりします。とはいえ、旅慣れてくると、たとえ揺れていようが、エアポケットに入ったように急に浮かびそうになったときも、それなりの対処方法というのが身についてきます。たとえば、機内食のおかずを落としてしまわないようにトレーごと掻きこんで食べるとか、せっかくいただいたアイスクリームが溶けてしまわないように頭が痛くなるのも我慢して急いで食べきるとか、熱いコーヒーを隣の人にこぼしてしまって気まずい雰囲気にならないように飲まないときもしっかりとカップを握っているとか・・・。
 こんな感じで、けっこう用心深い(!?)ワタシですが、一度コーヒーをこぼしてしまったことがあります。正確に言うと、「こぼされました」。アムステルダムからシンガポールへの、夜をまたいでのフライト中、確か夕食のときだったと思います。ワタシの席はC列だったので、左側のブロックの通路側。すなわち、右側に通路がありました。夕食と一緒に出されたコーヒーを持っていたところ、長身の男性フライト・アテンダントの足が、ワタシの右ひじに当たりました・・・。もちろん、半分以上残っていたので、こぼしちゃいました。揺れに対しては頭に入れていたのですが、こうした事態は考えてもいませんでした。
 で、こぼれたコーヒーなのですが、食べかけのチキン弁当の容器の中にぶちまけちゃいました。鶏肉の煮物と、白いライスと、ブラックのコーヒー。こんなところじゃないと、食べる機会がありません。機内食のトレーの中にも、借りていた毛布にも、コーヒーはかかってしまいましたが、自分のズボンが濡れなかったので、とりあえず良しとします。悪いのは「あっち」です。

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