3/16 : 香港、広州 HongKong and Guangzhou
'01新嘉坡&香港旅行記 >  後半:香港編 >  香港旅行記:3月16日



 いよいよ、この旅のクライマックス、「中国・広州への(日帰り)旅」の日が、そして、苦労して取得したVISAを使う日が、最終日になって、やって来ました・・・。とはいえ、汽車の都合により、広州滞在が、わずか数時間。しかも、広州の街中となると、もっと短くなります。何のために行ってきたのだか。

国際列車の乗り場は遠く

紅碪車站(Hung Hom Station)

 MTRを使って、九龍サイドの尖沙咀にわたり、国際列車の起点である紅碪(HungHum)駅までのシャトルバスが出ているという、HMV前の交差点へ。ただ、待てどもそれらしきバスは来ず、時間ばかり浪費してしまいます。とはいえ、タクシーを拾うわけにもいかず、確実に到着できる方法として、仕方なくMTRとKCRを乗り継いで、始発の紅碪駅へと向かいます。そのためには、MTRを途中で1回乗り換えて、九龍塘(KowloonTang)まで行き、KCRで2駅戻ります。直線距離で約1kmなのですが、30分ぐらいかかってしまいました。
 広州までの汽車のチケットは、さすがに国際列車というだけあってかなり高く、とても往復分を一度に出せるものではありませんでした。とはいえ、国境を渡ってもう一度「国内列車」を買いなおす手間を考えると、こうしておくほかになく、仕方なく両替をしてまで二人分のチケットを購入することにしました。けれども、起きたのが遅く、ここに着くまでに手間取ったので、次の列車は昼前のものしかありませんでした。時間をもてあましたので、駅の外に出たり、中国元を用意したり、ついでに早めの昼飯を取ったりと、それなりに時間をつぶすのですが、あまり駅から離れるわけにもいかないので、それなりに困ってしまいます。

注:その後、2004年にKCRが尖沙咀南駅まで伸びたので、こんなルートをとらなくても良くなりました。

国際列車に乗って・・・

 紅碪(HungHum)駅を出発した列車は、しばらくのあいだ、先ほど近郊列車に乗ってきたところを逆走しました。九龍塘駅のホームが終わるや否や、長いトンネルに入ります。このトンネルを抜けると、新界(NewTerritory)と呼ばれる郊外に出るわけですが、先ほどまでの下町的雰囲気ではなく、計画的に作られたニュータウンと、谷あいに残るむかしからの集落とのあいだを列車は走り抜けます。とはいえ、各駅停車の近郊列車と同じ線路をあいだを縫って走るわけで、ノンストップの割にはゆっくりとゆっくりと国境の駅まで進んでいきます。と、外の景色を眺めているうちに、次第に眠たくなり、いつの間にか記憶が飛んでしまいました。
 ふと、目が覚めると、粗放的な畑と、丘の上に1軒家が点在するという長めになっていました。(もしかして、中国に入ってしまったんだろうか・・・?)と、通路側のSクンに尋ねると、「いつの間に、寝てた?全然、気が付かなかった」ということでした。ということは、ものの、数分だけだったのでしょうか?
 そのうち、香港側最後の街、上水(SheungShui)駅をゆっくりと通過します。ここまでは、普通の都市鉄道なのですが、そのうち線路沿いに住宅や商店がなくなってきたかと思うと、金網で囲まれた施設があらわれるなど、物々しくなってきます。そして、最後の羅湖(LoWu)駅を過ぎると、小さな川を渡ります。どうも、これが国境ということです。

国境を越える列車、越えない列車

 国境の川を渡るとすぐに、深[土川](ShenZhen)の駅構内に入ります。広大な構内に低いプラットホーム、英語の案内は見当たらず、どの客も大きな荷物を持っていました。先ほどまでの都市鉄道の駅の雰囲気はおろか、大陸的というか、いかにも「列車旅」というイメージがぴったりです。もちろんこの駅も通過ですので、そのまま深[土川]の街中へ入っていきます。そして、次第に、スピードを上げて広州を目指します。
 結局、初めての中国旅行は、飛行機でもなく、船でもなく、ましてや国境を徒歩で渡ってということでもなく、なんと列車での入国ということになった。しかも、入国地点は「広州東駅」。われながら、マイナーなものである(もちろん、同行のSクンもまったく一緒なのですが)。1日に数本ある、香港からの直通列車による2時間足らずの旅。ただ、香港側の駅から少々遠いところに泊まっていたので、早朝の便に乗ることができず、出国したとき既に昼近く。途中で、下車して出入国の手続きがないだけ、出発前と到着後に、それぞれ審査が待ち受けます。香港側はすんなり済んだのですが、広州に着いてからは、やはりVISAの必要な国というだけあって、少々時間がかかりました(それを考えて、手ぶらで行ったワタシ・・・)。

九廣鐵路  【英繁】

広州での買い物

Guangzhou City Central from Yue Xiu Park  二人ともはじめての「中国潜入」だったため、過剰に緊張していたものの、あっけなく入国審査も終わり、いとも簡単に薄暗くひとけのない広州東駅構内へと放り出されてしまった。ここからは、完成したばかりの地下鉄で、市内中心部(と思われる)公園前駅まで出て行った。自動改札なのに、(紙幣の場合は)駅員のいる窓口で切符を買わなければならない、ということに矛盾を感じながら、地上の喧騒とは隔絶されたちょっと客の少ない地下鉄で街中へと向かった。
 市街地とはいえ、ショッピングセンターが建ち並ぶわけではなく、市の役所と大きな公園があるだけで、閑散としていた。近くにあった(香港にも店がたくさんある)スーパー(PARK'N SHOP)に入り、中国の物価というモノを調べたり、北京路という繁華街で本屋をのぞいてみたり。結局この店でSクンが購入した中国語版の「ドラえもん」と、誰だったか忘れたけど日本の歌手のミュージックテープ(CDではありません)が、唯一中国の「街中」で買ったものだった。
 せめて、香港で出発前に「早めの昼食」なんてものをとらなければ、ゆっくりこっちで食事ができたのに、とも思ったわけですが・・・。

広州地鉄(Guangzhou Metro)  《簡》

国境を越えない列車

 来るときは、何の苦労もなく国境を越えたわけですが、帰りも高い金を払って、しかも1日に数本しかない直通列車に乗るのも面倒だったので、深[土川]まで頻繁に出ている(1時間2本ぐらい)列車のチケットを調達して、歩いて国境を越えることに。越えてしまえば、たいした苦労はなさそうですから。しかも、来る時の190HK$に比べて、わずか75元と(通貨単位は違いますが、レートはだいたい一緒です)、半分以下という安さ!「なんで、みんなこっちを利用しないんだろう?」と思いつつ、2人分のチケットを購入します。
 この駅(もしかして、中国全体?)での列車の乗り方は、日本のそれとは異なっていました。チケットを持っていても、プラットフォームに行くことができず、そのかわり、改札口手前に用意された待合室でひたすら待ちます。とはいえ、列車ごとに待合室が分かれていますので、どちらかというと大きな空港の待合スペースみたいなものでしょうか。しかも、その待合室ごとに小さな売店がありましたので、離れる間際だというのに、広州の市街地図を購入しました。おかげで、汽車の中での暇つぶしができました・・・。
 深[土川]までは快適な旅を楽しみ、深[土川]まではわずか1時間足らず。ここが終点なので、到着すると、他の乗客とともに、薄暗い地下道を通って市街地へと吐き出されます。駅前=繁華街、なので、ちょっと買い物でもしてくるという手もあったのですが、翌日には帰国しないといけないので、できるだけ早くホテルに帰るため、わき目も振らずに出入国事務所へ向かいます。ただ、そこには、夕方ということもあってか、建物の外まではみ出る長蛇の列がありました。
「なるほど、ここで、時間を食っちゃうわけね・・・」
しかも、出国審査のブースは2つのフロアに及び、最初に並んでいた階はどうも(=香港人でも中国人でもない)ワタシたちは使えないらしく、上の階の列に並びなおします。そのエスカレータの途中まで列が伸びているわけですから・・・。
 審査自体はあっさりと終わるのですが、今度は橋を渡って、香港の入国審査をしなければなりません。だけど、どうして、「出国」と「入国」の審査をセットでできないのでしょうか?

九廣鐵路  【英繁】


大きな地図で見る

鶏肉の痛い思い出

上水・新都廣場(Sheung Shui / Metropolis Plaza)

 香港到着翌日の夕食で、鶏肉の乗っかった炒飯を(ワタシが)食べた。店頭のディスプレイを見たところ、美味しそうだったのに、実際には骨付きの鶏肉だったので、ぶつ切りにされて、粉々になった骨を取り除きながら食べるのに非常に苦労した。その翌日(昨日、ですね・・・)の夕食、Sクンが食べた鶏肉料理も、骨がぶつ切りにされていたので、やはり食べるのに苦労していた。
 そして、また夕食で、中国との国境のとなりの駅(上水・SheunShui)で途中下車し、駅前のショッピングセンターの中のフードコートに入ってみた。あれだけ鶏肉で苦労していたし、「美味しそう」という誘惑に負けたわけでもないのに、なぜか注文したのは「チキンカレー」。最初の一口目を口に運んで、2日前に味わった骨の痛みを感じて、初めて気がつきました。「これも、鶏肉、だった・・・」。このときのSクンの、「ばーか!」と言いたげな、涼しげな目が忘れられません。

大家楽(Cafe de coral)  《繁》
大快活(FAIRFOOD)  《繁》

前日へ 翌日へ
前日(15日) 翌日(17日)



地図 行程 香港 香港市街 尖沙咀 珠江デルタ 広州市街
はじめに 新嘉坡編 3/12 3/13 3/14 3/15 3/16 3/17 情報源 決算

版權所有 "taedo", 最終更新日期2005年6月5日