2/18 (月) : 香港 at HongKong
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 亜熱帯の香港はいくら冬だとはいえ、そこまで寒くない、と思っていたのが何かの間違いだった。通勤ラッシュが終わったであろう9時過ぎに、Tシャツ一枚で(もちろん、下は履いています)バッグにデジカメとかを入れて、外に出た。が、道行く人の中で半袖はおろかシャツ1枚だけで歩いている人がおらず、回れ右をして部屋に戻った。次に、鮮やかな黄緑色の半袖ポロシャツを着て出直した。建物の前の地下道をくぐり、KCRの駅までの半ばに差し掛かったぐらいで、やはり周りを見渡したところで、日陰は涼しいというより寒く、ここまで薄着をしている人が全くといっていいほどいないということに気がつき、もう一度旅館へ戻った。結局、持って歩くのが邪魔だと思っていた裏起毛の黒いコートを追加して、やっと一日の行動が始まった。
 KCRの旺角駅に隣接するショッピングモールの一部に「DeliFrance」を見つけていたので、高いことを承知の上で寄ってみた。ただ、相変わらず食欲がないので、パン一つとコーヒーだけだったが、それでも22HK&(約440円)というのは何だったんでしょうか。隣のテーブルではバイトの女の子が賄いの昼食を取っているのを見ながら、昼の時間に早いのに食欲があるということと、パンを3つも食べている(余裕がある)事を羨ましく思い、この旅は以前していたように、一日2食で乗り切ろうかな、なんてことも考え始めていた。

香港歴史博物館

HK Museum of History
 旺角から1駅だけ乗って、KCRの起点の紅ハム(Hung Hom)へ。ここからVictoria Harnbourをくぐるトンネル(Cross Harbour Tunnel)を歩道橋でまたいで「歴史博物館」へ。駅からこちらへ向かう人の流れは大きかったのだが、いつの間にか途中でみんな三々五々と消えてしまった。博物館自体がメジャースポットではないのか、それともこのルートが博物館へのメインルートではないのか、と思いながら歩いていると、建物の裏側へ出てしまった。案内板は出ていた割には、順路ではなかったらしい。しかも、併設する「科学館」が休館日だった事もあり、建物の周辺は人はまばらで、「歴史館もか?」と思わせるほどだったが、前を行く学生グループが正面玄関から入っていくところが見えたので、とりあえず安心する。
 今日は「博物館巡りの日」と決めていたので、受付でいくつかの博物館共通の「Weekly Pass」を見つけたときは損得を考えずに即断で購入した。30HK$で購入し、まずはここの10HK$分が支払い免除になった(つづく)。たいがいの「歴史系」博物館と同じように、古代の地層とか貝塚とかいった展示からはじまって、文明が起こり、ヨーロッパの商人がやって来て・・・、という感じでどことなくシンガポールで見たのと似ている。その後、イギリスの植民地になって、都市国家だったために、周辺地域と分離しているため、急速に発展するところもどことなく一緒。そして同じように、第二次大戦中にどこかの国が侵略してきて、というコーナーにいるときはなぜだかと言うか、やはりというか肩身の狭い思いがする。見て周っているうちに一つ気になったことは、遠足だか社会見学だかで大挙押しかけている学生(生徒?)達が、そこかしこで写真をとっていた。すると立て看板があり、こんな感じのことが書いてありました。「館内での飲食はダメです。写真は撮ってもいいです、他人の邪魔をしなければ」。私も、懐にデジカメは持っていたのですが、古代の「野生動物の生活する森」や中世の「中国系民族の生活する村」の原寸大模型は通り過ぎて、そろそろアヘン戦争が始まる頃でパネル写真や陳列棚に入ったものばかりとなったので、撮る機会すらなくなっていました。ちなみに、最後にあった100人ぐらい入れる場所でのビデオは「中国返還」にまつわるものでした。そりゃそうですよね。最近で一番大きなイベントなんで。

  香港歴史博物館
  香港科学館

香港芸術館

HK Museum of Art
 歴史館から次の目的地までは歩いても1キロ足らずの所を、大通りが多くその分だけ道を横断するのに手間がかかったりするかもしれない、という(安易な?)考えからバスを使った。
 九竜半島の岬の突端である尖沙咀には、Victoria Harbourを渡るスターフェリーの船着場があり、その周辺にはいくつかの文化施設がある。その中の一つ「香港太空館(Hong Kong Space Museum)」は休館日だったので、その隣の「芸術館」に行ってみることにした。

Hong Kong Art Museum  芸術館の入口のチケット売り場で、先ほど購入した「Weekly Pass」を見せたら「OK」みたいな返事をするのでそのまま外の階段を上がり入館するも、いったいどこが受付か分からないままだった(後で調べると、入館料10HK$ということなので、どこかでチェックされたはずなのだが)(Weekly Pass:20HK$分使用。つづ、かない・・・)。5階までの展示室はそれぞれが広く、部屋ごとに中国の昔の水墨画とか陶芸品とかもあったが、結局印象に残ったのは「香港の前衛作品」コーナーと、海を挟んで見える中環(セントラル)の市街地をバックに、そこに置いてある木屑を接着剤でくっつけて作った塔みたいなものがズラ〜っと並べてあるものぐらいだった。いったいどういう芸術センスを持っているんだか・・・。

  香港芸術館
  香港太空館

スターフェリー

天星小輪(Star Ferry
 芸術館から海沿いに西へ歩くと昔のKCRの駅があった名残である時計台があり、その周りは何のイベントだかわからないがいろいろなもので飾り付けてあった。ただ、旧正月のイベントも終わったので、撤去作業だけは進んでいた。
 香港名物のひとつとしてよく取り上げられる「スターフェリー」は、昨年使わなかったどころか見てもいなかった。というわけでもないが、これから行きたい所への近道だったので普通に利用した。ただ、香港に限らずこうした船は良く使っているので、何の感動も持たなかった。

Clock Tower of Old Hong Kong Station Star Cruises
昔の香港駅の時計台 スターフェリーの写真がないので、かわりにこちらを

新界の屯門へ

Tuen Mun
 中環まで渡ってきたものの、別に目的はなかった。2階建てトラムの走る徳輔路(Des Voeux Rd.)やその南側の皇后大道(Queen's Rd.)で頻繁に通過する新界へ行くバスを見ているうちに、元朗(Yuen Long)のあたりから上水(Sheng Shui)にまわり、その途中の落馬洲(Lok Ma Chau)辺りから中国国境を見ようとふと思いついた。そのため元朗か、或はこの街とLRTでつながっている屯門(Tuen Mun)・天水圍(Tin Shui Wai)に向かうバスを探した。ただ、いざ行こうと決めたもののバスがなかなか見つからず、バス停を移動したりして、やっとのことで乗ることができた。ここまで20分ばかり費やしたが、もっと頻繁にバスがあることを考えると、まだ香港の街歩きには慣れていない。
 長距離路線ということもあって2階に上がり、道中の景色を堪能する予定だった。ただ、途中でやっぱり最後は力尽きて寝てしまった。昨年来たときも飛び起きて急いで下りたので、やっぱり何かあるのかもしれない。
 屯門のフェリーターミナルや、TownCenterを散歩しながら、少し遅い昼食をとったりして、落馬洲方面に行くバスが多く出ていそうな北に向かう。途中で、九龍に向かう線路(KCRの西線:そろそろ開業予定)の建設現場の側を通ったが、日本でいうと新幹線みたいな巨大な駅でそれが普通の線路と同じような間隔であるのでえらく奇妙に見えた。新界とはいえ、所詮都心から遠く離れた郊外である。ただ、高層マンションだらけなので1軒辺りの人口いが多いことを考えるとこれでも採算が取れるんでしょうかね?

天水圍のニュータウン

Tin Shui Wai
 屯門から元朗へまっすぐ向かっても良かったが、元朗の途中で分岐している天水圍へ行ってみたいと思った。ガイドブックに載るような観光スポットは何もないものの、現地で購入した地図には今でも開発中の住宅団地が豪快に広がっていた。と、書けば普通なのだが、この周辺に巨大な職場というものはなく、九龍や香港島からも25キロと住宅街としては最も離れており、いったいどういうところなのだろうという興味はあった。途中でTown Centerらしきところでほとんどの客が降りるも、とりあえず終点が見てみたいので乗り続けていたら、少し寂しいところにLRTとバスの乗り場が集まったところに到着した。隣に百貨店があるものの、人通りは少なく、肝心のバスも見つけきれなかったので、4駅手前のTown Centerまで戻ることにした。しかも悪いことは続くもので、Octopus Cardの残額が少なくなったのでここにあった案内所でチャージしてもらった。
Tsin Shui Wai Newtown Tsin Shui Wai Bus Centre
天水圍の高層住宅街同じくバスセンター
 結局、余計なことで時間を使ったりしたので落馬洲に直接向かうのではなく、この近くを通過してそのままKCRの上水駅に向かうバスに乗った。香港から中国に陸路で向かう場合は、電車に乗れば上水の次の羅湖から直接歩いて向かえるのだが、こちらを「線路」の国境とすれば、この落馬洲は「道路」の国境といった感じで、主にトラックやバスのための国境となっている(らしい)。そのため、こちら方面に向かう高速道路は広く、巨大トラックも結構走っている。とはいっても、他に見るのは2階建てバスとミニバスぐらいで、一般車はほとんど見かけなかった。

上水、沙田経由で旅館へ

Back to Guesthouse via Sheung Shui and Sha Tin
 昨日見つけきれなかった沙田の無印良品をもう一度探してみることにした。今度は「New Town PlazaのPhase3」と場所まで確認しておいたので、何とか見つけることができたが、結果的にいうと駅ビルの向かいのビル「新城市広場(何もついていないので、恐らくPhase1だと思う)」から、更に渡り廊下で繋がっている別の建物だった。こんなに遠かったら、わからんわ、という感じもしたが、品揃えの多さに免じてとりあえずは許した。ただ、日本向けで販売するものをそのまま持ってきて売っている、というものだったので、ただでさえ円安で「物価高」と思っているものを更に何か上乗せした値段なので、「日本で買いそびれたもの」を買う気にもなれなかった。
 何となく、外食をする気になれなかったので、無印良品で調達したバームクーヘンだけで夕食を簡単に済ませる。沙田からは、Phase1のGroundFloorにあるバスターミナルから適当にどこかに行くバスに乗ろうとしたものの、帰宅ラッシュの時間だったこともあり、人込みでバス乗り場にすら近づけない状態だったので、諦めてKCRでまっすぐ帰ることにした。ただこちらは、中国から帰る人ぐらいで(こうやって書くと大袈裟ですが、ちょっとそこまで買い物か観光かと考えるとこっちでは普通のことみたいです)、恐ろしいほどに空いていた。

無印良品(香港)で買った晩飯(夜食?) これが質素な2日目の夕食

ちなみにこれでちょうど40HK$(約¥400)です

 最初の考えでは、マカオから中国を往復するのに時間がかかるだろうからということで、1泊はマカオでと考えていた。その1泊は到着日だと空港から市内に向かってフェリーに乗ってマカオに行くと夕方になってしまうということで、最後の版と決めていた。そうすると、香港を昼過ぎに出てマカオで泊まって、翌日は夕方までに香港の空港に戻ればいいので、時間的にもゆっくり出来る。ただ、いまから改めてマカオで宿を探すのが面倒になったということや、朝早い時間に香港を出ると、中国まで日帰りしたとしてもそこまで時間がかからないということが分かったので、本来なら明日で引き払うことになっていた宿をもう1日延ぱくすることにした。
 4階のフロントにはチェックインしたときの(英語が分からない)女将さんがいて、筆談で「〜19(水)」と書いたものを二重線で消して、「請滞在、〜20(木)、+1天」と書くとすんなりと理解してくれた。ただ、金を払う段階になって、「明日までの2泊分400HK$は昨日もらったから、あと400HK$ね。」と言ってきた。計算がおかしいと思ったが、「2泊までが400で、3、4泊のときは800なのだ」みたいなことを言うので、仕方なく支払った。3泊で800HK$=¥16,000と考えると、暴利に近いが何せ大阪よりも生活費が高くつく街、香港のことなのでそういうものか、と納得していた。

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準備編 前日へ 翌日へ オースト
ラリア編
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版權所有 "taedo", 最終更新日期2008年1月4日