2/21 (木) : 〜アデレード to Adelaide
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シドニー空港

Sydney Kingsford Smith Airport
 到着の2時間前だ、という理由でいきなり起こされた。というより、あかりが灯った。このときの時間が到着地時間で午前5時ごろ。・・・ということは、実質3時間しか寝ていない。手元の小型テレビで現在位置をチェックしても、まだオーストラリア大陸の北側を飛んでいる。8時間を超えるフライトなので、何とか寝ることはできるだろう、と考えていたのが少し間違っていたのかもしれない。とはいえ、ここで朝食を逃すとシドニーの空港で金を払って食べないといけなくなるので、一応食べておくことにした。

 シドニーの空港は気が付いたら着いていた、という感じだった。寝ぼけたまま、ふらふらと人並みに飲まれながら入国手続きのためのホールへと向かい、途中でガイドブックやパンフレットをあさったりしながら、ひたすら歩いたような気がした。入国審査のゲートは3つのレーンに別れていた。右から順にオーストラリア人、Express Passを持っている人、その他の人、という感じだった。普通に考えるとワタシはただの外国人なので、一番左の一番混雑しているところに並んだが、香港の空港でチェックインしたときにもらった入国カードをよく見ると左端に「Express」と書いてある。一応、巡回していた係りの人に聞いたら、中のレーンでもいいと言われたので早速移る。どうも、VISAの関係か?
 オーストラリアは移民が多い国だという事情が関係しているのかどうだか分からないが、入国審査は時間がかかった。しかも、税関でもやたら時間がかかった。一人旅なのに荷物はこれだけか、とか聞かれたりして。今回のたびは移動が多いせいもあって、荷物を如何に小さくするかで(「軽く」する、のとはびみょうに違います)苦労したのに、逆にこれが原因で怪しまれても困り者である。まあ、余計な物を持ち込むよりは、身軽な方がいいのでしょうが。
 国内線とのターミナルは離れているので、そこまで移動しないといけない。と思っていたら、到着ロビーのすぐ隣にカンタス航空専用の国内線乗り継ぎカウンターがあった。一応キャセイ航空仕様の搭乗券を持っているのでカンタスの物に交換してもらって、荷物の赤外線チェックをして、バスが来るのを待つ。国内線のターミナルは滑走路を挟んだ反対側にあるので、滑走路やその他の施設などを避けながら、ひたすら走っていった。とはいえ、格納庫やターミナルビルの裏側(というより、地平部分)が間近で見れたので、さながら社会見学のような気分だった。
 チェックインも、荷物チェックも済ませているので、出発ロビーに直接入る。ただ、感覚としては「出国手続き」も終えたと勘違いしている。久しぶりに「国内線」に乗ることと、ここで両替をしてしまったからというのが原因らしい。このロビー内にもいくつかの両替所があって、早速トラベラーズチェックからオーストラリアドルに交換した。とはいっても、レートが全く分からないので最初は無難なところでやったほうが安全だと思ったからだった。香港で済ませてきてもよかったのだが、手数料を取られるので現地の方がいいかな、と。

QF749 09:10(シドニー)  10:40(アデレード)

 搭乗手続きが始まったとき、列に並んだほかの人の手元を見ると、普段見かけるBording Passではなく「Internet Ticket」とかいったものを持っている人がいた。おそらく、ネット上で予約してそのまま空港へ来られたのだろうが、日本ではこういったこともしてるんだろうか。そもそも、日本で国内線に「自分から」乗ることすらないんだけれど。
 シドニー空港を飛び立って、しばらくは郊外の住宅地の上を飛び西郊の森に入る頃には雲に包まれていた。機内ではこれといってすることもないので、うとうととしていた。
 目が覚めると、空席を挟んだ右隣(通路側)の人が小さな箱に入ったパンを食べていた。通路を挟んだ向こう側の人も同じ物を食べていた。「機内食をもらい損ねた」、と思い、通りかかった係員、じゃなくて客室乗務員の方に何か言おうとすると、右隣の方が空いた席に置いてあるワタシの弁当を指差した。どうも、これに気がつかなかったほど眠っていたらしい。
 ここまでひたすら耕地の中を飛んでいた飛行機も、アデレードへの着陸態勢をとる頃になると所々に家が見えるようになった。そして、まさに郊外の住宅地の真上に差し掛かったときに、窓の外に地図で確かめていたまさにそのもののアデレード市街地が現れた。ほぼ2キロ四方で仕切られた中心部の周りには500メートルぐらいの幅のグリーンベルトが覆っている。市街地といえども、高層ビルは少なく、コンパクトにまとまっているという感じだった。この中心部を北側から北西部をかすめて西側へ、ゆらゆらしながら空港に下りていった。


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アデレード市内へ

To Central Adelaide
 実に7年も「国内線」の飛行機に乗っていなかったという最大のボケは到着した後に表れた。アデレードの空港に着陸し、タラップ車の階段を降りてそのまま建物まで歩き、廊下みたいなところを通ったあと、ちょっとしたロビーに着いた。受け取る荷物があるわけでもなく、そのまま通り過ぎたら建物の外に出てしまった。今までの感覚から、飛行機から降りると、面倒な入国審査や検疫、税関などがある、という感覚が染み付いているので、ものすごく拍子抜けしてしまった。ついでに言うと、観光案内所すらどこにあるのか分からなかった。ひょっとして、なかったのかもしれない。
 建物のすぐ外には、市内行きのバス乗り場が見つかった。ただ、直後にマイクロバスが到着するのだが、アデレードを大都市だと思っていたのに市内へのアクセス機関がこれしかないというギャップがありすぎて、しばし呆然としていた。ただ、このバスも1時間に2本しかなくこれを逃すと待ちぼうけになってしまうので、とりあえず乗ってみることにした。運転手のおじさんに言われるままに、7ドル払い、入口にあったパンフを数枚とって、どのあたりで下車するか見当をつけてみた。国内線ターミナルや、郊外線のケズウィック(Keswick)駅に寄りながら、市街地へ入ってきた。とりあえずホテルを決めたいので、観光案内所に近く市街地のド真ん中であるビクトリア・スクエア(Victoria Square)で下車した。
War Memorial
 ビクトリア・スクエアからは、街並みを観察しながら大通りを北上し、この街では一番大きい南オーストラリア・トラベル・センターへ入ってみる。とり放題の資料がたくさんあり、ツアーなどの予約のためのカウンターもあったのだが、それだけ客も多く、並んでいる人も多かったので、適当に地図だけあさって自分の足でホテルを探すことにした。下調べしていた手書きの地図を元に、この近くにある2件を中心に回ってみる。1軒目は意外と小さく、空室がないかもしれないと思いながら、2件目への道すがら日本人スタッフもおられるという小さな旅行会社に立ち寄ってみた。先ほどの案内所よりは小さかったが、日本人向けの現地情報誌もあり、こちらの方が長居が出来る雰囲気だった。案内板を眺めていると、店の方に声をかけられ、せっかくなので、探してもらうことにした。近くがいいだの、洗濯がしたいから一人部屋の洗面所は欲しいだの、高くつくからバスタブ付きや朝食は要らないだのと注文をつけると、その場で調べてくれて電話で予約までしてくれた。ちなみに、これがその「2軒目」だった。わざわざ出向いて交渉する手間が省けたし、ガイドブックに載っていたよりも安く泊まれたので、良かったことにしておいた。

ノーステラスで博物館めぐり

North Terrace
South Australian Museum; 南オーストラリア博物館  ホテルまでは歩いても5分ほどの距離だったが、14時まではチェックインできないということだった。荷物をフロントで預かってくれる保証がないことや、持って歩くにしてもそう重くないこと、それに博物館も同じぐらい近いのだが、方向が逆だったので、先に博物館の方へ向かった。2時間あったので、ちょうど時間もつぶれるだろうと思っていた。
 アデレード市街地の北辺の通りは「ノース・テラス(North Terrace)」と呼ばれており、名前の通り高台なのかと思っていたが、この道自体起伏が激しかった。前日まで「亜熱帯の冬」にいた身体では、まっすぐ歩くのすら暑くて辛かった。このとおりの北側にはアデレード駅や、多くの博物館、大学がありそこそこ賑わっている。ちなみに、南辺には「サウス・テラス(South Terrace)」というのがあるが、こちら側は姉妹都市である姫路市にちなんだ日本庭園(Himeji Gardens)があるほかはありきたりの公園がある程度でかなり寂しい。
 最初に向かったのは、このあたりでは一番大きい「南オーストリア博物館(South Australia Museum)」。何の下調べもせず入ってみると、入場料無料ということに驚き、鯨の骨の骨格や世界中の動物の剥製に目を奪われ、ただの割に物凄い見せ物があるものだと思っていたが、そこそこ広く、展示物の開設はすべて英語で、そのうちアボリジニー関連の物ばかりとなり、4階まで見てまわるうちに歩くだけでも疲れるようになった。大英博物館みたいな巨大なところは丸一日かけて見て周るといわれているが、ここもどうせ無料なら数日に分けても良かったのかもしれない。少し贅沢だけど。フロント脇にある喫茶室で簡単に昼食をとりながら、アデレードで見て周るところを調べたりもしてみた。
 昼食も取ったし、チェックインしてもいい時間になったが、帰り道沿いから少し離れたところにある「移民博物館」にも寄ってみることにした。以前の移民の収容所を博物館にしたということで、建物自体も見ごたえがあり、しかも入場料もカンパ程度の2A$とあったので、先ほどの博物館と「込み」ということで快く支払、おうとしたがどれが2A$コインか分からない。しばらく不審な動きをした後で、気を取り直して展示室に入っていった。

  南オーストラリア博物館(South Australian Museum)
  移民博物館(Migration Museum)

 ホテルはノーステラス沿いのアデレード駅前にあった。アデレード駅といっても、近郊電車のターミナルで長距離線はウエストテラスの外側に別なのがある。その正面のホテルなのだから、それなりに格式のある豪華なホテルみたいだった。下見もせず、しかもこの国のホテルの相場もわからないので、何とも言えなかったが、最初の夜でしかも1泊だけなので少々の出費は我慢しようと思った。
 ホテルにチェックインして、客室に向かうときに「料金相応にしたところでこれでも安かったのではないか」と思うようになった。というのも、5階ぐらいまでしかない小規模なホテルだと思っていたが、正面道路から見たら奥行きが広く、1フロアで100部屋近くもあり、おまけに私の部屋は「はなれ」になっていて、防火扉の向こう側にあった。しかも、部屋は広く日本のホテル並みに設備は整っていた。問題といえば部屋の広さの割にテレビが小さかったことか。このときに、オーストラリアぐらいならもっと安い宿でも旅をしていけると思った。  荷物をベッドの上に投げ出して、簡単に洗濯をして、もう一度出直すことにした。

夕暮れのポートアデレード

Port Adelaide
 夕暮れまで時間はあまりないものの、せっかく駅がホテルの正面にあるのだからということで、電車に乗って「ポートアデレード(PortAdelaide)」駅周辺に向かうことにした。この周りには、「海洋博物館(S.A. Maritime useum)」や港町の古い街並みが残っているとのことで、時間的にはちょうどいい、と思っていた。
 駅でチケットを購入しようとするも、ゾーン制というのに戸惑い、面倒くさいのでDay Tripperを購入する。おまけに改札口ではチケットを通す機械もなく、皆素通りしていくので係りの人に、「Port Adelaideに行きたいんですけど(これでいいんですかね?)」と聞くと、何を間違ったか控え室に戻ってこの路線の時刻表を持ってきて、「いいか、この電車に乗るんだぞ!」という感じで、地図と電車の時刻のところにマジックペンでマークしてくれる。しかも、「(現地に)どれくらい居るんだ?」と聞いてくるので、「1時間ぐらい」と答えると、それを裏返して(=上りの時刻のページを開いて)、「これに乗ると、この時間には戻ってこれるぞ」とか言ってくる。確かに有難かったのだが、英語でかかれている以上、時刻表の読み方ぐらいは分かっている。それよりも、現地の「お勧めスポット」を教えてくれる方が嬉しかった。
 途中で、ドアが閉まらなくなる(?)、というトラブルがあったものの、16:30頃に到着した。ただ、駅前の案内図を見ると目的地まで更に1キロほど歩かなくてはならなかった。博物館は17時に閉まるということは確認していたので、少しだけ散歩してそのまま戻ってきた。

アデレード市内散歩

Central Adelaide
 アデレード駅には、結局17時過ぎには戻ってきた。この時間でも太陽は高く、十分明るい。それもそのはず、サマータイムなので、日本人の感覚でいう16時に過ぎない。この時間に仕事を終えて遊べると思うと、何とも羨ましくなった。ただ、こうした考えは旅行者にとっては逆手に働くことになった。フードコートを探して、North Terraceより1本南の「ランドル・モール(Rundle Mall)」へ繰り出す。ここは1キロ近く歩行者天国になっていて屋台があり、両側には専門店や複合ショッピングセンターもある。その中の「Myer」というデパートの地階にフードコートがあるとのことだったので、上の階をぶらついた後で行ってみることにした。ただ、上の階の小さな商店は17時過ぎだというのに、シャッターを閉め始めているところが多かった。何かおかしい、とは思いながらも地下に下りて半分ぐらいの店しか開いていないフードコートで品定めをして、注文しようと思い店員を呼んだら、「すいません、もう終わりました」とのこと。残っている店は「Kンタッキーの揚げ鶏肉」と、アイスクリームだけとなったので、諦めて外に出た。
『おくゃく様へ・・・』
ホテルの冷蔵庫
書いてある日本語に間違いはないようですが、
このフォントだとなんだか説得力に欠けます・・・
ところで、一番下の行は何語なんでしょう?
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 結局オーストラリア初日の夕食は、途中で立ち寄ったコンビニで見かけた「ミートパイ」とかいう菓子パンと、極彩色の「Fンタオレンジ」に落ち着いた。
 このときに、現地版のテレビガイドも購入した。と言っても、「今週版」は翌日までなので、明後日から始まる「翌週版」にした。ホテルに戻ってテレビを付けると、19時からの番組が19時から始まった。書くと当たり前だが、ガイドのどこにも「アデレード版」とも「サウスオーストラリア(州)版」とも書いていない。一見したところ「全国版」らしい。ということは、シドニーやメルボルンといった所と30分ずれていても、現地の19時になれば「19時のニュースです」という感じで遅れて放送しているんだという事が分かった。ただ、後で聞いた話によるとスポーツ中継など生放送のときには、「シドニー・メルボルンでは16時から、アデレードでは15時半から・・・」というように現地時間は関係なく放送することもあるらしい。逆に言うと、州別の放送局が弱いということか。

地図 : オーストラリア南東部 アデレード アデレード市街
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