旅にまつわる 移動手段の ハナシ Short stories about Transportation Devices
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頻繁に飛ぶ人のためのプログラム(?) 交通カードいろいろ
第三国間のフライト 国境を越える船に乗るということ


頻繁に飛ぶ人のためのプログラム(?)

 元々はアメリカの航空会社で、飛行機を利用した距離(いわゆるマイル数。だいたい1マイル=1.6kmぐらい)に応じて客に還元しようとするもので、FrequentFlyersProgram、通称FFPといわれている。数年前に日本の会社でも採用されてから一気に普及した(らしい。何せリアルタイムで知っている世代ではないので)。一般的にアメリカ系の会社はマイルを貯めやすく、期限がないなど使い勝手がよく、その反面、日本の会社はためるのに時間や手間がかかり期限も短いなどハードルが高い、といわれている。

 ワタシは最初に、アシアナ航空のAsiana Bonus Clubに登録した。理由は有効期限がないということで、貯めるために旅に出るという本末転倒なことをしなくて済む(だろう)という考えだった。ただ今のところ韓国経由でどこかへ行くという機会がなく、単純に韓国往復のための手段でしかないので回数の割にたまってはいない(3往復半プラスアルファで4,500Mile)。何せ西日本在住なので、北海道や沖縄に行くよりも韓国の方が近いんですよね。
 次に日本航空のJALマイレージプログラムに入った。動機は忘れたが、今まで一度も「飛んで」いないことから考えると、かなり不純だったようである。郵便貯金と提携したカードを作ったり、国際電話をかけたり、旅行保険に入ったりして、一応2,000Mileは超えている。これは関西空港から台北を往復するのと同じぐらいである。こう考えると、効率がいいと言えるんですかね?
 そして昨年(2001年)、香港経由でシンガポールに行く直前に、キャセイパシフィック航空アジアマイル(Asia Mile)にオンラインで登録した。まずこれで1,000Mileがふところに転がり込みます。また、上記のアシアナと違い香港経由で遠くへ行くので、利用回数の割には特典交換までのハードルが今のところ一番近いみたいです。(02年2月,オーストラリアまで行ったため、最初のハードルの15,000Mileが貯まりました)

 最初に日系のは使い勝手が悪いと書いたものの、日本で生活している以上、はっきり言ってためる機会は外国のに比べて非常に多いです。さらに最近では航空会社同士が提携して、別の会社の飛行機に乗ってもマイルがたまるという制度もある。ただ私の場合、キャセイパシフィックがそれぞれ両方との間で契約を結んでいるので、それぞれの会社を利用するときも、そのときにたまるマイル数・有効期限の日などを考えて利用しなければならなくなったので、また悩みのタネが増えてしまった。

 つづく

アシアナ航空《日》
キャセイパシフィック航空《日》
Asia Miles《日》

交通カードいろいろ

 日本にはないわけではないのだが、ワタシが行った外国のものは、使い勝手が非常に良かった。
 いわゆる「○スカード」とか、「○スネット」とか、「○ルッとKANSAI」とかいう交通機関用のプリペイド式そのまま乗れるカードである。これらは普通は電車なら自動改札機に切符の代わりに通したり、バスだとカードリーダーに通したりする。最近では(日本でも普及し始めたけど:JR東日本のSuicaなど)「非接触式」のカードもあったりする。例えば、電車とかの自動改札だと切符の挿入口の近くにカードを載せるところがあって、そこにカード(が入っている財布・カバンでも可)を近付けると反応してくれるというものらしい。カードをわざわざ取り出さなくてもいいところがメリットらしく、いろいろな街で導入されているのだが、よく考えるとカードには外見上何の変化も起きないから、例えば残額とか分からないなどちょっとした苦労もあったりするんです。
 ちなみに最初に使ったのは香港で、地下鉄や電車や郊外の路面電車(LRT)に乗ったりした。ただ、(当時)毎日ホテルからの足として使っていた2階建てトラムはコインしか受け付けてくれなかったので、いつもコインを2枚握り締めてわざわざ乗っていたりもした。その後、ソウルでも買おうとしたものの、地下鉄駅の窓口ではなく、地上の街角にある雑貨屋(道路の一部を占拠しているようなもので、新聞とか簡単な食料とかと一緒にバスのチケットも売っている、らしい)で買わないといけないことが分からなかったので、結局買えなかった。ただ、釜山で買ったものはカードにも表示してあるように、バス・地下鉄だけでなく駐車場でも使えるというものらしい。まさに「交通カード」である。
 こうしたカードにも有効期限というものはやってくる。国内のものだと、わざわざ使いに行ったり、そこまでしなくともその地方へ行く人にあげたりということができるが、海外のものだとわざわざ行けないし、そこに行く人を探すのも難しい。と、つまらない前置きを書きましたが、実際に切らしたものがありました。初めてシンガポールに行った時、とりあえずカードを買いました(渡航暦:シンガポールへ)。だけど、毎日使っているうちに、残額が足りなくなったので一度増額しました(1999年3月4日)。再び、このカードを持ってシンガポールに行った時(2001年3月8日)、自動改札に通すと付き返されてしまいました。そこで、窓口に行って、「どうなってるの?」と聞いたら、「期限切れだ」と。どうも、購入、または増額してから2年間が有効期限ということは本当みたいでした。ちなみにこのとき購入したバスルートガイドの表紙裏には2000年8月1日以降に購入したカードは4年間有効ということが、ご丁寧に4ヶ国語で書いてありました。

左上:釜山
右上:香港「オクトパスカード」
下 :シンガポール

 つづく
八達通(Octopus Cards)《繁》
ez link Card《英》

第三国間のフライト

 日本と目的地とを単純に往復するという旅行ではなく、どこかの国(や、地域)を経由して、さらにまたその他のところへ行くという旅行をするようになると、ちょっと変わった体験をすることになる。というのも、日本を発着するフライトでは、普通に考えて客の半数(リゾート地に向かう場合は、客の大半)が日本人のため、登場待ちのときも、機内でも、到着してからも、そこかしこに日本語の話し声が聞こえるので、ある意味で「日本にいるときと変わらない」という感覚になる。そして、日本語の理解できる(しか、理解できない?)客が多いのため、たいがいは最初に、そうでなくても2番目に日本語でのアナウンスが入る。
 それが、外国での国内線ならともかくとして、海外の空港でそこの国の航空会社に乗り換えたとき(たとえば、香港まで飛んでいって、そこから香港の会社の便でオーストラリアに行ったりするとき)や、日本とは関係ない国どうしの移動(たとえば、北京からソウルとか・・・)をすると、日本人客に会わないどころか、「日本語のアナウンスすら期待できない」という、非常に困った事態に陥ってしまう。確かに、客の割合からして、日本語のできる客室乗務員はおろか、アナウンスのテープを用意しておくほどのものではないというものなのだろう。こうしたときには、飛行機に乗ったときから、否応なく、現地の言葉に触れることができるので、旅行気分を盛り上げてくれることもある。それに、また違った国での経由地がある場合(たとえば、シンガポール発マンチェスター行きなのに、パリを経由するとか・・・)、実際ワタシは降機しなくても、そこの言葉を聞くことで雰囲気を味わうこともできる。
 ただ、異国情緒をじっくり味わっている余裕があるうちはいいのだが、遅延があったときや到着地の情報がないときなどは、必死になってアナウンスを聞かないといけなかったりする。北京からソウルへ韓国の航空会社の便で飛んだときは、最初に韓国語で、次に中国語で、ここで終わってしまうのかと思ったときに最後に英語でアナウンスがあったときは、一言も聞き漏らすまいとして、集中して聞いたものである・・・。

国境を越える船に乗るということ

 初めての海外旅行が、下関から釜山への夜行フェリーによる出国だったので、島国のニッポンに住んでいても、「飛ばず」に出国できることを身をもって経験していた。ただ、それでも、一晩かかってしまうので、「フネで気軽に」という感じではなかった(とはいえ、その5年後に、近くのルートで3時間の「船での国境越え」をしましたが・・・)。
 もちろん海外には、もっと短い距離の海(川、だったりもしますが)で隔てられた国境もあるので、こうしたところでは「飛行機」ではなく「船」でラクに国境を越えることができる。香港の都心からマカオまでは、珠江デルタ河口の両岸に位置しているため、橋が架けられているほど上流まで行くのは現実離れしてるので、高速艇やヘリコプターを使って海(というより、河口ですね)を渡ることになる。30kmほどの距離を、4,500人は乗れるのではないかというほどの大型船が、1時間かけて海の上を疾走する。これが、多いときで1時間に4本ほどと、別のターミナルからも出ているので、どちらかというと「船旅」という情緒がない。
 それにひきかえ、インドネシアへ行ったときは、飛行機で出入国するときとは一味違ったものを感じることができた。インドネシアといっても、有名な観光地のバリ島でも、首都のジャカルタでもなく、シンガポールの目と鼻の先「バタム(Batam)島」なので、シンガポールからも、わずか1時間で行くことができる。1時間おきに出る船に乗り込み、赤道直下の穏やかな海のなかを、観光に行くのか、買い物に行くのか、それとも仕事から帰っているのか分からないような客、十数人だけ乗せて、いかにも「南国のビーチリゾートのコテージ」のようなつくりの、出入国管理事務所に到着する。ここの玄関前で、タクシーの運ちゃんにしつこく絡まれた、という悪印象はあったものの、マカオの港のように、四方からひっきりなしに旅行客が到着するというわけでもなく、また対岸のシンガポールの喧騒とは違い、ゆったりとした時間が流れていた。一応「国境」の事務所なので、管理は堅いのだろうが、東南アジア的空気と、客が少ないこともあってか、のんびりとしていた。こんな「国境」をまた越えてみたい、と思いながら、適当な場所がまだ見つかっていない・・・。

新渡輪(New World First Ferry)《繁》
Penguin Ferry《英》

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