7/12 (金) : 香港 at HongKong
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 さて、昨晩のトラブルの結果、予定外の「香港の休日」が取れたものの、だいたい行きたかった所へは行っていたので、遠出をしてみようと思った。ただ、国境を越えると、中国の場合せっかくのVISAを1回使ってしまうし、マカオの場合往復で250HK$ほど船賃がかかってしまうので、香港内の島へ行くことになった。香港島の南東にはいくつかのリゾート地と化した島がいくつかあって、ただ単にビーチに行くだけじゃもったいないな、と思いながら、各方面行きの船が出ている中環の埠頭へと向かった。

香港最大の島、Lantau Island(大嶼山)へ!?

Lantau Island(大嶼山)
 いくつか候補に上がった結果、行きと帰りで別ルートが選べるLantau Island(大嶼山)へ行って、世界最大の「屋外」大仏のある山までバスで行くことにした。日本のガイドブックにも載っているのだが、扱いは非常に小さく、中国からの観光客が多いとあったので、少し違った形の観光ができると思ったのが決め手だった。ちなみにこの島、一応「島」なのだが(地図でご確認ください)、どうして「大嶼」なのかという納得のいく答えがまだ得られていない。
 Central(中環)から大嶼山の中心地Mui Wo(梅窩)には30〜60分間隔で船が出ていて、30分そこらで行くことができる。ただ、平日だったためか、真夏の午前中の島行きの船なのに2割ほどの乗船率だった。船がマカオ行きの船と変わらないほど大きすぎることが問題なんだろうが・・・。2階席には、いよいよ旅行者みたいな客しか乗っておらず、カメラを首からぶら下げて展望デッキとを出入りする中国系の若者集団を除けば、欧米系のファミリーばかりで、街中にはいっぱいいるはずの日本人を見かけることはなかった。
 梅窩の港の正面がバスターミナルになっていて、この島最大の観光地であるPo Lim Monastery(寶蓮寺)に向かうバスは旅行者ばかりを乗せて、ほぼ満席になると出発した。香港島や、九龍といった市街地とは雰囲気が全く違い、亜熱帯の林に囲まれた峠の一本道を緑色のラインが入った1階建てバスがセンターラインもお構いなしに突っ走る。しばらくすると海岸沿いを走るようになり、砂浜があるところには、住居や民宿のような建物が固まっている。40分ほど走ると、ダムがあり、その堤防をバスは走る。下流側に面白い建物があって、とりあえず写真に撮っておいた。堤防の下といい、このカタチといい、「多分、発電所だろう」なんて思っていたが、地図を見たら違っていた。
Tong Fuk Min Wan さて、これは何でしょう?

Lantau Island(大嶼山)の
南海岸のビーチです
Shek Pik

昼食つき、入場料!?

寶蓮寺(Po Lin Monastery)
Buddah Statue at Po Lin Monastery  で、その、上の右の写真のような土手を渡り終えると、急に山道に入っていく。ダム沿いの坂道をうなりをあげて駆け上っていく。すれ違う車は、工事用車両か、同じ会社の路線バスかというほど辺鄙なところを走る。峠に差し掛かると、その先の海上集落の残るTai O(大澳)への分かれ道を曲がると、日本では見かけないような尾根の道を一気に駆け上がる。そして、その先に、いきなり大仏が鎮座している丘の麓にバスは到着した。
 ここまで来ると、本当に日本人と分かる観光客を見かけることは難しく、そのかわり欧米系の観光客が目立つ。寺ばかり見ても面白くないので、早速大仏のある丘に登ろうとするが、入口の関所のようなものをくぐった所に入場券売り場があり、いきなり出鼻をくじかれる。そりゃそうですよね。タダで見物しようというのが甘いですよね。普通の入場料と、スペシャルな入場料があるらしく、後者だとどこかで特別な料理が食べれるらしい、というか、よく聞き取れなかったので、安いほうにした。気を取り直して階段を上り始めるも、ここのところろくな食事をしていないせいか、途中で息が切れてしまう。大仏の台座の部分は展示室になっていて、仏教系の「ありがたいもの」が数多く飾っていた。ようだった。多分、そういう物だと思う。ただ、胴体の部分へ上がろうとすると、ワタシの入場券ではだめだと言われた。どうもそのへんが、入場料の違いだと思った。
 大仏の丘から降りて、とりあえず本堂にも寄っておかないと、と思い、ふらふらと歩を向けた。といっても、建物のつくりは日本の物とあまり変わらないようで、涼むのには適当だったかな、という印象しか残らなかった。この近くにオープンスペースの食堂があり、時間的にはちょっと早いのだが、次にいつ食事にありつけるか分からなかったので食べてみることにした。メニューに「米粉」というのがあり、「ビーフン」ということが分かっていたので、先程の入場券の裏にそう書いて手渡すと、トレーの上に、ビーフンと春巻と饅頭を載せてくれた。「いくら?」と尋ねると、「入場券に含まれていますので」ということだった。入場料に28HK$(1HK$=約¥16で計算してください)だと非常に高いと思っていたが、食事代込みなら納得がいった。ただ、ワタシの場合たまたま発見したけど、そのまま食事をとらずに帰っちゃう人もいるんだろうな、と余計な心配をしてしまった。

大きな地図で見る
「写真館:食い物編」
 秘境のような、ここ「寶蓮寺」でしたが、その後、東涌から直通するロープウェイ(のようなもの)ができてしまいました。海沿いの道を路線バスで走っていくのも風情があったものですが、いまやMTRの駅から1回乗り換えるだけでここまで来てしまえるらしいです。

Ngong Ping 360 《E》《繁》

大嶼山最大の街、東涌

Tung Chung
 帰り道は、Mui Wo(梅窩)ではなく、Tung Chung(東涌)に出た。ただ、島の南の海岸近くまで行って、そこから島の中央部をトンネルを使わずに横切るので、直線距離で5kmほどしかない所でも1時間以上かかってしまう。だけど、それなりに景色が良かったので、満足はしている。
 東涌は新空港の表玄関というだけあって、大嶼山の中では唯一にして、最も都会っぽい。MTRの駅に隣接して、ショッピングセンターが2件もあり、ここだけでそれなりの用事を済ますことができる。ただ、街全体がまだ作っている途中という雰囲気で、何となく落ち着けない。ここからは、空港リムジンバスを使って、新界のTsuen Wan([廾/全]灣)へ出た。どうせMTRに乗換えてTSTへ出るのなら、近いところがいいかな、という安易な考えだった。
 だいたいこの時間になると、明日からの予定が固まってきた。当初は、福建省の方まで行くのを止めて、直接広州に入って元の予定にあわせようと思っていた。すると、4泊5日の間で、広州とマカオでそれぞれ2泊ずつできる。広州3泊、マカオ1泊でも良かったけど、どちらにしろ最後の水曜日は、香港に戻って買物とかをする予定なので、マカオ観光は火曜日になってしまう。これだと、非常に「まずい状況」になるので、他のルートを考えていた。
 持ち出していた、中国側のガイドブックの地図を見ながら、「せっかくだから、ちょっと遠くまで足を伸ばしてみようかな」と思い、広東省の東端、「Shentow(汕頭)」まで行って、1泊することにした。ただし、その前後とも半日は移動に費やしてしまうので、ろくな観光ができないかもしれないが、移動も楽しみなので、これでも構わなかった。

中国旅行社<5日目>

"China Travel Service H.K." last day
 よく考えたら、5日連続ですよね。週休2日のサラリーマンと一緒ですよね(勤務時間が違いすぎますが)。入口で番号札を受け取り、しばらく待っていると、昨晩のオジサンが担当となった。ついているんでしょうか?それともないんでしょうか?
 先程出来上がったばかりの案通りのルートを一つずつ組み立てていく。まずは、翌日の汕頭のホテルと、その次2泊分の広州のホテル。数日前に持って帰ったホテルの料金が乗ったパンフと、ワタシが持参したガイドブックの地図とを見比べながら、便利そうで安いところを選んでいく。汕頭は街が小さいし、選べるホテルも限られているので簡単なのだが、広州は50ほどのリストの中から選ばないといけなかったので、「3星以下で安くて、交通の便がいいところ」とリクエストしたら、広州駅前正面のホテルを取ってくれた。次は翌朝、香港から汕頭に行く高速バスのチケット。到着地は、泊まるホテルの駐車場なので問題がないのだが、ワタシの場合、昨日の前科があるので、香港側の乗り場は、詳しい地図を引っ張り出してきて、事細かに説明してくれた。乗り場自体は知らなかったが、近所には行ったことがあったので問題はない、と思われた。
 そして別れ際に、気にしていたことを言われちゃいました。
「あなたのことは忘れません」。好意的に受けとってもいいんでしょうか・・・。
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スターフェリーあれこれ

 今回は、バカみたいにスターフェリーに乗った。元々、「船(に乗ること)が好き」というのもあるのだが、6日間の滞在中に5回使っていた。しかも2回も乗った日が一度もないというところが怪しい。正確にはスターフェリー(天星小輪)とは、九龍側と香港島を結ぶいくつかの渡し舟のうち、TSTか紅ハムと中環あるいは湾仔とを結ぶ4つの路線だけである。これだけあるのに、乗ったことがあるのは一番西側の「TST−中環」線だけというのも、また不思議なところである。この路線は、2種類の運賃設定があって、下層が1.7HK$、上層が2.2HK$となっている。前回の旅で利用したときに、何も分からず乗り込むと上層だって、今回も訳がわからず乗り込むと下層だった。2回目のときに、やっと2重運賃だということに気がついた。その後は安いほうを使っていたが、その違いを知りたくて、一度上層に乗ってみた。目に見える違いは、前後にガラス張りの部屋があるということぐらいで、ちょっとばかし眺めがいいこと、それに水しぶきが掛かる可能性が極めて少ないことぐらいでしょうか。客層に違いがあるわけではなく、買物帰りの子供連れのおかあちゃんが上層にいれば、下層にビジネスマンが一人で乗っていたりする。もっとも、本当に金を持っている人なら、真下を通る地下鉄に乗ったりするんだろうが。

Star Ferry(天星小輪) 《E》《繁》


 地中海風ビーチの赤柱

Stanley
 3日前に「Aberdeen(香港仔)」に行っていたが、香港島の南岸でもう1ヶ所気になるところがあった。その名も「Stanley(赤柱)」。どう考えても、英語と漢字が一致しない。Aberdeenもここも欧米系の人らに人気があるということだが、地図で見比べるとAberdeenほど住宅団地が立てこんでないし、ショッピングセンターもあったので最後に行ってみようということになった。
 何度来たのかすら忘れてしまいそうな、中環の交易広場のバスターミナルに行くとちょうどStanley行きのバスが出た直後だった。それでも相次いで2台のバスが乗り場へ入ってきた。どうも、バイパス経由、ノンストップ便など、バラエティがあるらしかった。10分も経たずして、前のバスが出発するというので乗り込み、2階の最前列に陣取った。香港仔に行くときと同じようにトンネルを通り、抜けた所で左折する。その先は海岸沿いの道を、岬と湾内の砂浜近くを繰り返しながら、20分ほど走っていく。その間、Deep Water Bay(深水灣) Repulse Bay(浅水灣)といった、いかにもバスを降りたくなるような地名が続いた(後者はともかくとして、前者は砂浜とゴルフ場しかありませんが)。
Stanley
赤柱のターミナルで下車して、南洋風の建物のつづく商店街を海岸まで歩く。昨日行った香港仔などに比べると、こちらの方がはるかに香港臭くない。高層マンションは近くになく、かわりにあるのは庭付きの一戸建てが多い。地元の人向けの雑貨屋やコンビにばかりでなく、東南アジアの街角で見かけるような観光客向けの商店もある。そして、海岸沿いにはおしゃれなカフェやレストランが並んでいた。地元の人を除くと、欧米系の観光客(地元民かもしれませんが)が多く、日本人の姿は見られなかった。風も心地良かったので、海岸の堤防の上のブロックに寝転んで、当分の間ぼけーっとしていた。近所のレストランから流れるラテン系の音楽も心地良かった。

銅羅湾の時代廣場

Times Square at Causeway Bay
 Times Square(時代廣場)地下のフードコートでキムチウドンなるものを(一人で)食べていた。このとき隣りの4人掛けテーブルは空いていて、ここに6人のグループが座りたいからと、私の席にも相席したいと言ってきた。横に置いていたバッグをひざの上に載せ、食事を続けていると、隣りにきた家族連れ(構成からして2家族だと思うんですが)が、韓国語を使っていることが分かった。機を見計らって、隣りに座ったオジサン(といっても、30代ぐらい)に英語で話し掛けると、やっぱりそう言うことらしく、しばらく会話が続いた。
「韓国から来られたんですか?」
「はい。どうして分かったんですか?」
「何度か行ったことがあるんで、だいたい言葉はわかるんです。」
「あなたも旅行者ですか?」
「そうですけど」
「なんで、一人だけなんですか?」
「ワタシ学生なんで(←ウソつき)、友人とかは働いていたり、研究してたりとかで忙しいんですよ」
「へ〜〜〜、学生なんだ。もう10歳ぐらい若いと思ってた。」
 って、おいおい、10代の半ばで香港一人旅をする少年がどこの国にいるんだよ!
 その後、このオジサンは頼んでいた料理ができたので取りに行った。持って帰った物は、日本料理店の「巻き寿司」。お互いの食べている物を覗き込みながら、二人揃って「こんなところまで来て、自分の国の料理なんか食べても仕方ないですからね〜」
 考えていることは似ていたが、どちらかというと日本料理のほうが香港では幅を利かせているので、その分選択の余地が狭くなってしまう日本人には不利かもしれない。

  Times Square(時代廣場) 《E》
  時代廣場(Times Square) 《繁》

香港のテレビチャンネル

 香港ではいずれも安ホテルだったので、基本4チャンネル(どこかでは+2チャンネル)しか映らなかった。香港にある2大テレビ局「亜洲電視 (ATV)」、「電視広播(TVB)」のそれぞれ、広東語、英語チャンネルの「(本港台)」、「(國際台)」、「Jade(翡翠台)」、「Pearl(明珠台)」である。まあ、「風呂・トイレは共同でもいい」のに、衛星の「スターチャンネルが見たい」というのもかなりの無理がある。
 もちろん、全部で4つ(乱暴な言い方をすれば2つ)しかないので、だいたい同じ時間には似通った番組しかしていない。現地調達した週刊誌のテレビ欄を見ながら、「今頃体育台ではワールドカップの試合を録画放送してるんや」とか、「日本台っちゅうのもあるんや」とか、まったく別世界のこととして考えていた。

 中国に入って、最初のホテルでチェックインしてすぐテレビをつけた。1月ほど前に埼玉で行われたはずの、カメルーン−サウジアラビア戦だった。画面の左上を見ると「体育台」。たまたま見ていなかった試合だったので、街に繰り出すのを後回しにして、とりあえず前半だけ見てしまった。3、4つ星ホテルに泊まったからなのかもしれないが、こんなところまで来て香港のチャンネルにお目にかかれるとは思わなかった。他にも、中国の放送局も異常に充実していて、中央局の8チャンネルをはじめとして、地元ではない地方局を含めて30チャンネルほど楽しむことができた。


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版權所有 "taedo", 最終更新日期2005年9月3日