7/16 (火) : 広州〜珠海〜マカオ〜香港 From Guangzhou to HongKong via Zuhai, Macau
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 チェックアウトを済ませ、一昨日と同じ道を逆方向にバスターミナルへ歩く。歩道橋を2回渡ったところに市のバス乗り場がある。一応、バスがあることと、だいたいの運賃を見てきたので、安心はしていた。ホテルを出て、1つ目の歩道橋を渡ったところに、切符売り場があったので気になって入ってみると、そこは(別の)バスターミナルだった。しかも、泊まったホテルと同じ名前の。歩く手間が省けたと一瞬喜んだものの、売り場の行列があまりにも長かったので、当初の予定通り、市のバスターミナルまで行きました。
Bus Ticket ちゃんと「到站(行き先)」が、
「珠海拱北」になっているでしょ?

珠海デルタを南へ、南へ

高速バス  (広州)  (珠海:香洲)
 広州の街自体は6,7世紀ぐらいからという長い歴史を持っているので街中には古いものが残っている半面、近代都市としては最近急速に発展しているので、ちょっと郊外に出ると大規模開発をしている場面を目の当たりにできる。バスに乗ってしばらくすると、都市高速のような高架道路に入り、巨大ビルの谷間に広大な空き地が残っているようなところを走っていく。巨大な競馬場や、広大な施設の建材用具の問屋街、下水処理場など、いかにも土地を必要としそうな施設が並ぶ。広州市を南北に分断する珠江を渡ると一転して住宅街となる。またしばらく走っていると、一面の畑が連なるようになる。実はなっていなかったので分からなかったが、バナナじゃないのかなと思っているんですが・・・。そもそもこんな所でできるんですかね。そして、となり街のPan Yu(番禺)の中心部を通過し、いくつかの珠江デルタの川を渡りながら、孫中山(=孫文)の生誕地、中山市へと入っていく。
Guangzhou City 広州市東部の新市街地あたりを、
バスの中から
珠江を渡った辺りの新興住宅地 Guangzhou Suburb
 いつの間にか高速道路に入っていて(というより、一般道でもすっ飛ばすから、違いが分からない)、そのうち雲行きが怪しくなり、たまに土砂降りになる中をバスは走っていた。ハイキングとかをするわけではないのでそこまで困らないが、香港に比べてマカオは地下鉄も地下道もなく、どちらかというか不便だったので、できれば曇っていても構わないので雨は降って欲しくはなかった。
Panyu City
バス車中より、激写!
おかげで、ねじれていますが

経済特区チェックポイント

 中国の国内にも、都市住民とその他の人とで別々の戸籍があって簡単に住居を移すことができない、とかいうことを以前どこかで読んだ気がする・・・。で、これは、経済特区との間にもあるということで、マカオに隣接する珠海(Zhuhai)に入るときに審査がある。といっても至って簡単なもので、高速道路上に料金所みたいな感じで屋根がついている場所があって(小屋もなければ、バーもない)、入国(入境?)審査員がバスに乗り込んできて一人一人の写真入りIDを見て回るというものである。中には持っていない人もいるらしく、荷物をまとめてバスから降りていく人も3分の1ぐらいいた。
 一番後ろに座っていた私のところにも周ってきたが、言葉がわからないふりをすれば大丈夫だろうと思っていても通用せず、すっとぼけてバスのチケットを見せたりしたけどこれでもだめらしく、仕方なくパスポートをポケットから出した。
 同じバスに乗っていた乗客の皆様、出発が少々遅れて申し訳ございませんでした。


珠海の市内バス

Zhuhai
 珠海の「香洲・拱北」行きのはずのバスは、ひとまず市の中心部の香洲バスターミナルに到着した。車庫のような広場の真ん中に停車すると、ワタシ以外の乗客は全員下車して三々五々と散っていった。もちろん、運転手まで。「拱北まで行くんじゃないのか?」と聞こうにも、聞ける人すらいなくなった。とりあえず下車して、バス正面の行き先表示を見て、「拱北まで行くって書いてあるよね・・・?」と一人寂しく確認して、仕方なくこの場を離れた。ただ一つラッキーだったことは、一応ここはバスセンターなので市内バスもひっきりなしに発着していることだった。もちろん拱北行きのバスも頻繁に見かけたので何とかなるだろうと思っていた。バス停の案内看板で運賃が均一2元ということを確認し、右手に1元札2枚を握り締め、他のとは違い(比較的きれいな)拱北行きバスに乗り込むと、そこには「1元」と運賃箱に書かれているのが目に入った。この表示に驚き、運転手に人差し指1本を突き上げて尋ねるとあっちも同じ仕草で返してくれる。「こんなにきれいなバスなのに、半額でいいんだ・・・」と思っていたのが何かの間違いだった。走り出して気付いたが、他のバスは窓が閉まっている。こっちのバスは、窓は開き、天井の排気口が全開している。どうも、エアコンがないらしい。そういや、香港もシンガポールも同じ路線なのに、Non-AirConだと安かったっけ。
 拱北までの道のりはわずか5キロほど。なのに、走れど走れど、都心だか郊外だか分からない大通りを客の乗降を頻繁に繰り返しながら走るので、1時間ほど掛かったんじゃないかと思う。拱北に行けることは8割方信じていたが、それでも正面にイミグレの建物が見えたときには、ほっとして全身の力が抜けたようだった。それにしても、1時間ほどでわずか1元(約15円ほど)のショートトリップ。隣りに座った居眠りおじさんが、こっちに寄っかかってこなければ、もっと楽しかったかもしれない。


大きな地図で見る
こんなところでバスから降ろされても・・・。国境までは、さらに南へ5kmほど。

拱北地下商城

Zhuhai / Gonbei Underground Market
 拱北の国境の手前(あっ、もちろん中国側です)の広場の下にはそこそこ大きな商店街が広がっている。ただし、地上の広場が広すぎるので、「地下道」としての役割は果たしていない。そのため、地下街を通り抜けたとしても、最後にまともな信号がない車道を横切らないと、街に出ることができない。いったい、何を考えて設計してるんだろう。
 地下街ののメインストリートからそれたところに、診療室が丸見えの病院があって、この向かいに本屋がある。それなりに大きくてCDとかも揃っている。前回来た時に、中国の金に両替していなかったので何も買えなかったのでもう一度寄ってみた。ただ、昨日の広州の大書店に比べると、見劣りがする。しかも、昼食時間にかかったためか、売り場の隅のほうでは、店員が集まって床に座って弁当を食べはじめている。一人が飯盒の大きな入れ物からご飯をとりわけ、もう一人が同じようにスープを分けている。巡回中の店員に見られるのは構わないけど、食事中の店員に見つめられながら立ち読みするのは結構つらい。
 他人の弁当を見ているとワタシも何か食べたくなったので、広場中央の食堂へ行ってみる。ファートフードからいわゆる街角の食堂みたいなものまで、ピンとキリがあったが、結局一番空いている(というか、回転が速かった)台湾料理のレストランへ。台湾から中国へ移動する人たちの中で、マカオを経由する人は非常に多いと聞いたことがある(中国=台湾の直行便がないので)。ただ、国境の目の前だからといって、食堂とファーストフード以外に台湾料理のレストランしかないというのも・・・。
 もう一度本屋に戻り、店頭の露天でCDを数枚購入。今後、香港でも見つけるんだろうけども、明らかに高くなりそうなので、目ぼしい物はすべて買っておく。地上に上がると、タクシーの客引きがたむろしていた。ワタシも階段の下の売店で買ったばかりのペットボトルの炭酸飲料を飲みながら歩いているところをつかまった。お互いのことばは分からないのに、地名は英語でも同じなので言っていることは何となく分かる。
運「○×△#$%&? 深セン?広州?」 :訳(おそらく)「どこに行きたいんだ?深センか?広州か?」
私「マカオ!」
一発で話が終わってしまった。そもそも、これから国境を歩いて渡ろうとする人を捕まえたところから間違っている。

中国だから、筆談で通じるでしょ!

 上記の台湾料理のレストランに入った決め手は、空いていたこともあったが、店頭にメニューを置いてあったというのもあった。一部写真つきで、漢字と英語でメニューが書いてあった。どうせしゃべっても通じないだろうと思い、このメニューを見ながら、漢字名をレシートの裏に書き、キャッシャーで差し出すと、OKと微笑んでくれた。
「やっぱり、同じ漢字文化圏だ」と喜んでいると、何かを尋ねてきた。もちろん通じるはずがないのでボールペンを手渡すと、2行ほど何かを書いてきた。もちろんすべて漢字だった。まったく意味の取れない文字は一切なかったものの、どれが名詞・動詞で、どれが副詞なのか見当もつかなかった。途方にくれて、分からないふりをすると、ジェスチャーで教えてくれた。
「ここで食べますか?それとも、お持ち帰りですか?」筆談はこちらからの一方通行でしかないということを知ると同時に、答えが全然想像も付かなかった理由がなぜだか気付いた。そもそも、レストランでテイク・アウトができるのか?



あれ?「ヨン様」?

 地下商城で購入したCDのうち1枚は、当時香港辺りでも流行りだしていた、韓国のドラマのサウンドトラックだった。日本でも「秋の童話」が放送されていたころで、かろうじてワタシもこのドラマは知っていた。だけど、このCDはなかったので、「冬日恋歌」というタイトルからして2番煎じみたいなものを買って帰った。さすがにドラマ自体知らなかったので、思い出しては聞く程度だったが、曲が「やわらかい」ので従兄弟が「胎教によさそう」と言って借りていったこともあった。
 それから2年。日本でも「冬のソナタ」が流行りだし、街中の店で流れている有線放送でも、このテーマ曲が聞くことが増えてきたころに、たまたまこのCDを聞いていた。すると・・・、まさに、このCDが「冬のソナタ」のサウンドトラックだった、ということに気が付いた。そもそも、パッケージの表面の、抱き合っている男女二人組みが「ヨン様」だったということに、このとき初めて気が付いた。まあ、すべて漢字なので分かりにくい、といえばそれまでなのですが。

 とりあえず、こんな感じです。ただし、ここから購入されても、ワタシがこのとき購入したのと同じものが手に入るとは限りません。
冬の恋歌(ソナタ) オリジナルサウンドトラック ?国内盤?


マカオのホテル探し

Macau
 マカオは観光立国(?)というだけあって、ホテルはピンからキリまで揃っていて、それこそカジノ付きの豪華ホテルから、英語すら通じないようなゲストハウスまである(らしい。というのも、泊まり比べたことがないので)。で、今回の旅の最後の宿ということもあって、最低限、風呂さえあれば構わないという考えだった。というより、今更金をかけたくないと思っていた。ということで、あらかじめ市街地近くの3件のホテルに目星をつけておき、メモ用紙に地図を描いておいた。
 中心部のセナド広場前でバスを降り、中国元から香港$への両替を済ませた後、「海が見えるから」という理由で第一候補だった「Hotel Peninsula(半島酒店)」へ向かった。地図とは微妙に位置が違ったのはまだ序の口で、建物を一周しても入口が見当たらず、まるで廃墟のようだった。少し離れたところから上の階を見ると、とても営業しているホテルには見えず、近くの第二候補のホテルを横目で見ながら、ずぶぬれになりそうなほど激しくなった雨の中を、もう一度セナド広場の方へと戻った。
 その途中、道の向かいに第三希望の「Hotel Central(新中央酒店)」を見つけたが、入口に板が打ち付けてあり、上の階の窓という窓が全て閉められていたので、そのまま広場横にある観光案内所に入った。ただ、ここで紹介しているホテルのパンフを見ても、高級ホテルクラスがメインで、あったとしても泊まろうと思っていたところより2〜3倍高い相場のところしかなかった。どちらにしろ、今日は博物館関係が定休日であるということや、翌朝まで雨が降り続かない保証もないので、そのまま明るいうちに香港まで戻ることにした。
 結局、この晩泊まった180HK$の宿は、風呂・トイレとも共同だった・・・。

  マカオ歴史地区(Historic Centre of Macao) 《E》

マカオの本屋

 セナド広場から、北へ少し歩き、坂道の少々きつい商店の立ち並ぶとおりの一角に、小さな本屋を見つけた。1フロアが学校の教室の半分ほどの広さで、地下1階から(地上)2階までさまざまな本が並べてあった。それぞれのフロアがテーマごとに配置してあるのだろうが、ほとんどがポルトガル語で書かれた本だったので、それがすぐに何の本だか理解することができなかった。それでも、写真集とかは見ていても面白かったし、地図などは言葉など関係ないので興味を持てた。その中で1冊だけ、「月間マカオ」なるポルトガル語の雑誌を見つけたので自分へのお土産もかねて買って帰る事にした。表紙の写真がサッカーに関するものだったから、というのもあったが、第1特集が最近行われた国勢調査の結果というのも大きな理由だった。
 レジに持っていって、香港ドルで支払った。マカオにも独自の通貨はあるのだが、香港ドルも同じレートで通用しているので、こうした買い物には何の不都合もない。ただし、その逆(マカオの通貨を香港で使うこと)はできないので、おつりの香港ドルを探して店員さんが近所の店まで出かけていった。先ほどまでは小降りだった雨が、傘が必要なほどきつくなっていた。残っていた店員さんに、「別にいいですよ」と言ったものの、行方が分からなくなっていたので待つしかなかった。マカオの通貨もお土産にしてもいいかな、と思っていましたが、結局のところ当分待たされました。おかげで、雨が小降りに戻りましたが。



Fast Ferry
 MRT尖沙咀駅のB1出口から地上に上がり、Cameron Road(金馬倫道)を東へ200メートルほど、行く前にCD屋を見つけたので雨が降ることもお構いなしで、大荷物を持ちながら暫しの間品定めをしていました。ただ、率直な感想としては、「中国で買っとけば良かった・・・」というところです。
 気を取り直して。エアコンの室外機からのしずくか、看板を伝って落ちる雨なのか分からない大粒の水を漏れなく浴びれる歩道をさらに東へ。お目当てのビルを発見し、薄暗く狭い通路を奥へ、奥へ。正面にあったエレベーターの扉は、なぜか「手前に引く扉」でした。自歩式のエスカレーターや「両開き扉」式の自動ドアなど見てきたので別に驚きませんが、せめて「横引き」にしてくれよと思ったのはワタシだけでしょうか。香港の雑居ビル特有の狭すぎるエレベーターで8階に上がり、目星をつけていた旅館に転がり込む。案の定、空室はあったわけですが、どうせ朝まで過ごすだけなのでトイレ・風呂共同の一番安い部屋にする。一連の手続きをしてくれたフィリピン人のメイドさんとやらは、「今までここに来たことがあるか?」と聞いてくる。確かに、この近所のホテルに(わずか1週間前に)滞在してたけど、この旅館には、と思っていたら、「あなたと同じ名前の人が今朝チェックアウトした」だってさ。そりゃまあ、ワタシの苗字は日本でも多い名前ベスト20ぐらいに入る名前なので別に驚きはしませんが、下の名前は珍しいので、もしこっちだとしたらお会いしてみたいもんですが。
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香港編
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情報源

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版權所有 "taedo", 最終更新日期2005年9月3日