3/14 : 釜山⇒大邱⇒大田⇒ソウル From Busan to Seoul via Daegu & Daejon
'04韓国旅行記 >  旅日記:3月14日



 韓国は国土が狭いため、長距離移動といってもたかが知れています。飛行機に乗るほどでもなし、夜行の汽車やバスに乗ってもぐっすり眠るヒマはなし。だったら、昼間の移動でもいいじゃないか、ということになるんですが。


 釜山の旅客ターミナルまでオヤジを見送りに行った。一人で出入国審査を受けるのは初めてだったが、港の規模が小さいことや、同じ時間にほかの出発便がないから迷うことがない点、それにわずか3時間で日本に到着できるから、とかいう理由でこれといって悩んではいない様子だった。いくらかのみやげ物と自分用の酒を買ったあと、8時になると出国審査が始まったので、そのままついたての向こうへと消えていきました。

バスターミナルまで40分

 ・・・となると、ここから完全にワタシのフリータイムとなるわけで、「夕方までにソウルへ」というルートだけを設定して、北進をはじめた。とりあえずは、2日連続で乗っている地下鉄1号線に乗り、昨日と同じ終点の「老圃洞(ノポドン)」をめざす。さすがに3日連続となると、外の景色を見るのもバカらしくなり、ずーーっと下を向いて寝ていたような気がする。釜山からは、一気にソウルへの直通バスに乗るという手もあったし、同様にソウル近郊への街行きというものもあったが、さすがにこれから5時間以上もバスに乗りっぱなしというのはきついと思い、複数の街に寄ることを考えていた。
 候補は(直通を除いて)3通りあった。一つは、ソウルまでを結ぶ「京釜高速道路」沿いの主要都市で乗り継ぐパターン。最短ルートだし、幹線の道路も線路も通る韓国版「東海道」なので、面白みはないのだが、それでも立ち寄ったことのある街が少ないので、意味がないことはなかった。二つ目は、この王道のルートから少しそれてみることだった。蔚山(Ulsan)や馬山(Masan)、安東(Andon)など気になる街はいくつかあった。三つ目はこのバスターミナルまで来た時点で半分アウトなのだが、その街の主要バスターミナルではなく、小さな「市外バスターミナル」から、中距離のバスをひたすら乗り継いでソウルを目指すというものだった。だが、これは時間がかかる上に何度も乗り継いでいるうちに、直通バスに乗るよりも高くついてしまう可能性もあるので、この時点で諦めた。
 結局、最初に乗るバスの目的地も定まらないまま、9時前にはチケット売り場の前に来ていた。案内板を見ながら、まずはちょうど良い時間のバスがある大邱行きに乗ることにした。

釜山綜合バスターミナル  《韓》

釜山(9:20) >>>  大邱 : 6,200W
 昨日の慶州までは同じ場所を走り、そこから西に進行方向を変えてほぼ同じ距離を走ると最初の目的地の大邱となる。ルートは、建設中の韓国版新幹線に沿っているはずなのだが、道路(高速道路の拡幅)工事以外にそれらしきものが見当たらない。前半部分は、昨日も見た景色なので、居眠りをして過ごす。後半も、田畑や山ばかりで面白みに欠けるので・・・。

バスターミナルが、いっぱい・・・(大邱)

 韓国版新幹線「KTX」の駅でもある東大邱駅前のバスターミナルに到着した。3年前にも来ているので何となく覚えがある。しかしこの時はそのまま地下鉄に乗り換えたが、今回はまたバスに乗り継がないといけない。ただ、その割には、ターミナルがこじんまりとしている。しかも、切符売り場にも見慣れない地名ばかり並ぶ(もちろん、釜山、慶州などはありましたが)。様子がおかしいと思いガイドブックを見てみると、どうもこのターミナルは会社別にいくつもの敷地に分かれているみたいで、これから乗りたいバス会社は違うブロックに建っている他の建物らしかった。そこまで分かったものの、現在自分がどこにいるのかすら分からない。目印となるはずの、地下鉄駅すら見当たらない。しばらく歩き回ったところで、ソウル方面行きのバスが出ているものの一つを見つけたが、昼飯時が近く腹も減っていたので、おそらく思考能力が低下していたんだと思います。なので、大田行きのバスを衝動的に買ってしまいました・・・。
 さよなら、大邱・・・。

大邱(11:10) >>>  大田 (優等): 9,900W
 ターミナルを出たバスは、市街地北部を半周して、北東部にあるインターチェンジから高速道路へ入った。ここからは山岳地帯で、韓国では珍しくトンネルと橋とを繰り返す。拡幅工事を諦めたのか、まったく新しい道路を作ってしまい、近くに放置された「昔の」高速道路が見える場所がいくつかあった。
 後半になると、さすがに空腹で寝ていられなくなった。ただ、こちらのバスの中で食事をすることがタブーなのかどうかすら分からなかったので、ずっと周りの様子を気にしていた。昼時だというのに、誰も食事をせず、こっちも我慢していたのに、大田のインターチェンジが見えてきたころになって、通路を挟んだ隣の親子がおもむろに果物を剥き始めた。「カ□リー×イト」一つすら我慢していたワタシは何だったんでしょうか。

雪の残る大田へ

 大田のターミナルは「総合」ターミナルだった。というか、すべてのバス会社が乗り入れていた。って、これが普通なんでしょうけども。とりあえずは、ソウル行きのバスが出ていること、それにほぼ10分おきに出ているので、いつ切符を買っても大丈夫そうだということを確認して、いったん外の街へ食事をしに出掛けます。ターミナルの駐車場を横切っているとき、側にどす黒い1mほどの小山を発見。その周りだけぬれている、というか水溜りのようになっているので、怪しい!と思っていると、どうもそれはかき集められた雪のようでした。釜山周辺では先週の大雪の影響がなかったのと、暖かい日が続いたのでこういうものはありませんでしたが、さすがに大田周辺では積雪も物凄かったということで、至る所にこうしたものが残っていました。
 やっと一人になれたので、ここからは思いっきり自分の都合で食事をする場所を選ぶことができます。道路を挟んだLotteriaで、久しぶりの(韓国の)ハンバーガーを、といきたいところでしたが、レジの前には10数人が待っています。というより、列になっていないので、誰が最後だかも分かりません。やっとのことで注文を出せるようになっても、横から誰かが入ってきたりします。ようやく注文できたかと思ったら、「チキンバーガーは、10分待ってもらうことになりますが・・・」。
 もういいよ。こうなったら、いつまででも待ってやるよ!

  この日の出来事『鳥インフルエンザ大流行』

大田(14:10) >>>  ソウル (優等): 10,200W
 大田からの道は、今までとは少し違っていた。それは、ほとんどが平地なのだからかもしれない。いままでは2車線だったのが、4車線が当たり前のようになった。しかも、のろのろ運転のつづく外側3車線を尻目に、バスだけは中央よりの車線を快走する。となりの車線から割り込まれてきたとしても、急に止まれそうにないほどの恐ろしいほどのスピードを出す。翌々日に分かったことですが、中央車線とその隣の間が、白い破線だけでなく青い実線も引かれていて、何かを区別しているみたいでした。路線バスの定時運行のためなら良しとしましょうか・・・。
 それと、途中で休憩があったのも、この旅では今回だけでした。天安の手前のサービスエリア(みたいなところ)で休憩したわけですが、周りに同じよう場バスが多く停まっていたので、外に出るのはあきらめました。

やっとのことで到着しました(ソウル)

 ソウルの巨大な料金所を通過したのが15時過ぎなのに、更にそこからバスターミナルまで1時間近くかかってしまった。それなら、いっそのこと郊外のバスターミナルにも寄って、電車に乗り換えるという選択肢があったほうが便利だと思うのですが・・・。
 いったん、旅館に荷物を置いて、それから街に繰り出そうと思っていましたが、このターミナル内にも巨大な本屋も、食堂も、ヒマをつぶせるものなら何でもそろっていますので予定を変更してしばらくはここにとどまります。いろいろと用事を済ませているうちに腹も減ってきたので、食事までしているうちにあたりも暗くなってしまいました。結局、移動だけで1日終わってしまいました。

ソウル高速バスターミナル  《韓》
セントラルシティ  《韓》 / Central City Seoul  《英》

変わったソウル、変わらなかったソウル

 旅館の最寄の地下鉄の駅を降りて、地上にあがると、既に薄暗くなっていた。そして、日曜日だからなのか、それとも、この近くのいわゆる「市庁前広場」が工事のため閉鎖されているからなのか、人通りがものすごく少なく、屋台も道路に面した商店も既に店を閉じていた。「こんなに人が少ないのは、初めてだなー」と、ボケーっとしながら歩いていると、今までは横断歩道だけだった路地に、信号が付いていた。危うく、無視して渡るところだった。とはいえ、曲がり角にあるコンビには開いていたし、旅館の周りのカルビなどの食堂も、いつも通り営業していた。ここまでくると、慣れたもので、まるで「いつもの場所」に戻るように、旅館に入っていった。
 重大な疑問なんか、忘れたまま・・・。

 1年半ぶりの旅館は、これといって何も変わっていなかった。日本語はキツいけど、親切なおばさんも健在だった。電話でした予約はきちんと入っていた。ただ、今晩の部屋と、翌日からの部屋が変わるということだった。明日からの部屋のほうが、微妙に広いらしい。狭くなるわけじゃないので、別に構わないか。無料のインターネット部屋もあった。相変わらず、先客はいなかった。水、コーヒーの無料サービスもあった。ただ、洗濯をお願いするときは、袋の中にチップというか洗濯代を入れておいてくれと言われた。やはり、掃除・洗濯のおばちゃんは、外の人だったらしい。そういえば、日本語(あるいは、英語)で話しかけることはなかった。旅館からもらう金だけじゃやっていけないんだろうか・・・。
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最終更新日2005年9月10日