10/6(土):ソウル〜 10  6 ):
From Seoul





ソウルの朝

明洞、鐘閣、ソウル駅

 二人ともそれなりの用事はあったのだが、これといって朝早くから急ぐ理由もなかったので、9時ごろに起きた。お互い、宿をシェアしてくれたことに感謝しながら、それぞれ出かける準備をした。とはいえ、朝食を取りたいという目的以外ないので、そのまま明洞まで歩いていき、目抜き通り沿いのダンキン・ドーナツに入る。今後、もう会うことがないかもしれないということをお互い分かっていたので、前日よりも突っ込んだ話もした。だけど、話を進めるうち、二人のソウル滞在期間が非常に似ていることも何となく分かってきた。
 食後は大きな本屋に行ってみたいという事だったので、鐘閣の永豊文庫まで一緒に行った。地下1階の雑誌や旅行書のコーナーは地下鉄の駅の出口からの近道ということもありよく利用していたが、今回敢えて日本書の場所を探しに地下2階まで降りた。地下1階だけでも広いと思っていたのがこれと同じぐらいのスペースでもう1フロアあったことに何より驚いた。というよりも、本の名前も売り場のコーナーの名前も読めないので、どこに何があって、何がないのかが分からなかっただけと言えばそうなんですが。
 ワタシは今晩の夜行列車の切符を取るためにソウル駅へ、青海さんは今晩からPさんのお宅にお世話になるということで、昼過ぎに待ち合わせをしていたので、それまでの時間つぶしとして、汝矣島の「大韓生命63ビル」の展望台に行くことになっていた。なので、永豊文庫の隣の地下鉄駅で簡単に挨拶をして別れた。

そして、再会

 

 ソウル駅の改札広場にある案内所でKOREA RAIL PASSに引換え、同時に当日の夜行列車を予約した。適度に英語が通じたので、手間取ることはなかったが、なぜか発券に時間がかかった。指定席とはいえ、日本の「緑色の窓口」に比べると、非常に遅かった。
 切符は手に入れたものの、まだ正午過ぎと、汽車が出るまでには相当時間があった。いつもの市内観光のように旅館に戻るということをしなくてもよいので、23時までの時間が丸々使える。何もなければ、街中を歩き回っていろんな店に入ったり、博物館とかをはしごしたり、電車やバスで郊外に出たりもするのだが、またソウルに戻ってからのことを考えると、もう一度青海さんに会っておきたいと思った。
 鐘閣の駅で別れてからはそれ程時間がたっていないので、少なくとも展望台に行けば会えるかも知れないと思った。汝矣島に向かうには地下鉄の5号線に乗るしかなく(バスもありますが)、地下鉄を2回も乗り継いで最寄の「汝矣ナル(ヨイナル)」駅へ向かった(注1:「ソウル」駅から「汝矣ナル」駅へ)。駅から1.5キロほどあるものの、これより近い駅はないが、漢江の土手沿いに行けるので、ふらふらと歩こうと思っていたら・・・、改札口を抜けてすぐのコインロッカーで早速見つけてしまった。

韓国一の高層ビルから

大韓生命63ビル

 「大韓生命63ビル」は汝矣島の東端にあり、ソウル市内を流れる漢江沿いにあるため、(晴れて、空気が澄んでいれば)遠くまでよく見渡せる。一応その名の通り、地上60階、プラス地下3階建てのビル(???)で地階には水族館も併設されている。高速エスカレーターで展望台に上がり、最初の印象は、「肝心のソウル市内が見えないじゃないか・・・」というものだった。漢江を挟んだ北側に、以前からのソウル市街地が連なるわけだが、中心部の手前に南山と呼ばれる山が横たわっている。そのため、この山に隠れた部分は何も見えない。そもそも、ここの山頂にも「ソウルタワー」という展望台があるのだが、青海さんによれば「ここの入口まで登って行かないといけないから、ビルを選んだ」ということだった。結局、皮肉なことにこれが眺望の良し悪しを決定したみたいだった。
 展望台の上から、私がもう一度ソウルに戻ってきてからのことを少し話をした。すると、13日まではソウルに滞在するということ、それとPさんの家にそれまでずっといつづけるのも申し訳ないということから、9日から13日まではもう一度宿をシェアすることになった。ということで、もう一度ソウルに戻ってくる予定の9日の朝に鐘閣の韓国観光公社で再会することに決めて、もう一度わかれることとなった。


大きな地図で見る
中央のガラスばりで地上が映り込んでるビルが「大韓生命ビル」

 大韓生命63ビルディング [K]

となり街の水原ですが 《Suwon》

 ソウル市から南へ約50キロ。地下鉄1号線から乗り入れている1号線の片方の終点(残りの半分は仁川へ行ってしまう)なので、乗り間違えなければ結構簡単に行けるところです。これだけの近さにして、ここもワールドカップの開催地だが、大きな違いは「ここを本拠地とするチームがある」ということ。アジアのクラブチームの大会で2連覇(2002年4月)するという強豪です。ただ、近い割には中頃(安養辺り)を過ぎるころから車窓には畑が広がり、かなり田舎に来たなという感じがします。

 水原市 [K]
 「汝矣ナル」から地下鉄に乗り、2つ目の「新吉」で郊外線の水原線に乗り換える。ここから1時間ほど終点まで乗りつづけると水原の街にたどり着く。カルビで有名な街なのだが、先ほどビルの地階で遅い昼食を食べたばかりだし、一人だけなので機会があればまた来ることにして、市内観光だけを目的に行ってみる。ただ、時間があり、明日から何度か乗る予定の高速バスに乗る練習をしてみたいので、仁川かどこかに向かうバスがあれば乗ってみようと思っていた。
 水原が近付くにつれて、車窓は畑や山だらけになるのだが、水原自体は50万人が住む街なので駅前はごった返しており、大きなデパートは少ないもののどこまでも商店街が続いていた。買い物をする目的はないが、一通り街中を観察してから、高速バスターミナルへ向かった。大雑把な道路地図を参考にしながら向かった先に、バスが何台か停まっている場所を発見した。ただ切符売り場が見当たらず、それらしき小屋、というかコンビニの半分ぐらいの広さの倉庫のような建物に入った。そこが、切符売り場兼待合室だった。それもそのはず、「高速バス」というのは、高速道路を使って長距離を走る路線で、水原からは大田や光州といった遠くに、しかも1時間に2、3本しか出ていないような小さなターミナルだった。何となく雰囲気はつかめてきたので、この近くの「市外バスターミナル」に行ってみた。やはりこちらの方が大規模で、ターミナルも比べ物にならないほど大きかった。ただ、あまりにも大きすぎて仁川行きのチケット売り場さえ見当たらなかった。結局、このルートで周るのを諦めて、電車でソウル市内に戻ることにした。

高速バスターミナル

 ソウル市街へはまだ明るいうちに戻ってきた。とはいえ、まだ時間はあるので、江南にある高速バスターミナルを見てみようと思った。ソウルの高速バスターミナルに用事はないのだが、少なくとも明日光州で利用することになるので、少しは参考になるだろうと思った。
 このバスターミナルは、釜山方面など韓国南東部へ向かう京釜線と光州方面など韓国南西部へ向かう嶺東・湖南線という2つのターミナルが背中を向け合って立っている。後者の方が新しく、新世界百貨店も入っていて大きい。この建物の地下1階には永豊文庫の支店もあった。ただ、その隣のCD屋は比較しては悪いぐらい狭かった。
 時間も遅くなったので、そろそろ食事をとることにした。地下1階のショッピングモールの中には、ファーストフードの店やちょっと高級そうなレストラン、パン屋などはあったが、フードコートのように簡単に食事ができるところは見当たらなかった。そこで京釜線ターミナルの方へ移り、うろうろしてみると出発フロアの中に食堂が10軒ぐらい連なっているところを見つけた。どの店のメニュー(写真)を見ても違いがわからなかったので、客があまり入ったおらず(=騒がしくない)落ち着いている店に入った。メニューを出されても文字が読めないので、壁にかかってある写真を見て注文した。このような食事を今後も続けていくことになる。

初秋の夜行列車は

23:25(ソウル) 04:17(光州) 359.9km 17,100W
 今回の韓国旅行の前半は、列車やバスを使って南半分を1周してくるということだが、言ってみればこれがそのスタートにあたる(すでに、2日経ってますけど・・・)。とはいえ、自分の席を確保して、席を倒して、そのまま寝てしまったので、永登浦(23:33)駅まではかすかに覚えがあるものの、水原(23:56)に停まった記憶はない。その後、たまに寒さで目を覚ます程度だったが、いつの間にか終点の光州に着いていた、という感じだった。だいたい夜行で移動するときはこんなものである。特に韓国の夜行列車は、出発時間が遅いので、睡眠に落ちるまでの時間が短いような気がする。

注1:「ソウル」駅から「汝矣ナル(ヨイナル)」駅へ

 実際は1回の乗換で行く方法が2通りあります(鐘閣か新吉で乗換)。このときは、「路線図」よりも「地図」を頭に思い浮かべて、「最小乗換」よりも「最短距離」を考えたためこのルート(市庁&忠正路で乗換)をとりました。で、何故これが悪かったか、といいますと、この2駅は市内では歩く距離が長い部類に入るんです。というより、いまだに面倒なんです。


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